William Hunt

イギリスでは、1980年代のニュー・ロマンティックの先駆者とも呼ばれるウィリアム・ハント。堅いイメージを持つセヴィル・ローという場所にありながら、モダン・テイラー・スタイルを提案する。そのスタイルとデザイン哲学は、「パーソナル・シアター」という言葉で表現されている。顧客一人一人の体形の特徴や、その人の持つ雰囲気を最大限に引き出すため、様々な側面をよく観察し、いくつかのパターンを試してみる。いわば、顧客それぞれが主役となり、形作り、スーツの細部、布選びとコンビネーションをよく考えて組み合わせ、プレーンでシンプルなスーツが仕上がる。
もともとお得意様対象でサービスを行ってきたこの店の顧客リストには、デイビット・ベッカムやスパイス・ガールズ、トム・ジョーンズなどが名を連ねている。