ケンジントン宮殿

ケンジントン宮殿は、ハイド・パークに隣接したケンジントン・ガーデンズの中にあり、プリンセス・ダイアナが最後に暮らした城。現在は、ロイヤル・ファミリーの為のオフィスとプライベート・アパートメントになっています。
ここは、ヴィクトリア女王の生家でもあり、子供の頃に過ごした部屋などを見学することができます。また18世紀から現在までのロイヤル・ドレス・コレクションの展示もあり、イギリスの服飾文化の歴史の深さが、現代のファッションに大きく影響を与えていることが分かります。また、服飾文化を通じ、当時の貴族社会における社交界デビューの慣習、マナーなどを紹介しています（リニューアルし、2010年1月31日まで）。
現在は、プリンセス・ダイアナのスタイリッシュなドレスを通して振り返るプリンセス・ダイアナ回顧展を開催。

プリンセス・ダイアナ　Diana, Princess of Wales
故ダイアナ元皇太子妃は、1961年7月1日にイングランド東部ノーフォークのスペンサー家の三女として誕生しました。1981年7月29日、20歳のときにチャールズ皇太子とロンドンのセントポール寺院で結婚。長男のウィリアム王子と次男のヘンリー王子を出産し、公務では子供のためのチャリティーや発展途上国のエイズ防止、地雷撲滅キャンペーンなどに積極的に取り組み、国民からの絶大なる支持を受けました。しかし、夫妻の不倫問題で1996年には離婚。さらには1997年8月31日、パリの「リッツ」でのディナーの直後、恋人であったハロッズの御曹司ドディ・アルファイドと同乗していた車が事故に遭い他界してしまいます。現在も、プリンセス･オブ・ウェールズとして世界中の人々から愛され続けています。

ケンジントン宮殿を楽しむためのお役立ち情報
ケンジントン宮殿は、自然とガーデニングの美しいケンジントン・ガーデンズの中にあり、優雅なひと時を過ごすことができます。ここでは、故ダイアナ元皇太子妃のお過ごしになられたパーク内で楽しめるいくつかのスポットを紹介します。

ケンジントン・ガーデンズ Kensington Gardens
ウィリアム3世（在位1689-1702）が1689年にハイド・パークの一部であったこの土地をケンジントン宮殿の庭として獲得したのがこのガーデンの誕生です。このガーデン・デザインの特徴は、ジョージ3世（在位1760-1820）の妻キャロライン王妃がデザイナーであるチャールズ・ブリッジマンを雇い、1728年に大掛かりな工事で築いたサーペンタイン池とロング・ウォーターと呼ばれる水路ではないでしょうか。ゆるやかに流れる川のような美しい景観は、多くの鑑賞する者達を圧倒したことから「ははぁ!!」という愛称でも呼ばれていたようです。また、宮殿の目の前にあるラウンド池もこの時に造られ、その丸い池の周りに、車輪のように木を植えたのが斬新だったようです。
かつてここは正装した者だけがしか入園を許された庭園のでしたが、ヴィクトリア女王が即位後にバッキンガム宮殿へ移転したことから、誰もが入場できる広く開かれた公園となりました。
このケンジントン・ガーデンズには、英国のおとぎ話で有名なピーター・パンの銅像や、プリンセス・ダイアナのメモリアル遊園（子供用施設）などがあります。


（左）ケンジントン・ガーデン（中）「サーペンタイン池」と、まるで運河のような
美しい景観を映し出す「ロング・ウォーター」。（右）公園内にはいたるところにリスが・・・。

アルバート公記念碑　Albert Memorial
ヴィクトリア女王（在位1837-1901）が夫であるアルバート公の英国への貢献を称えて1876年に建てた記念碑。国民から愛された仲睦まじい夫婦でしたが、アルバート公が42歳という若さでこの世を去ってからは、落胆したヴィクトリア女王は喪に服し、公の場に出る機会も減ってしまったといいます。アルバート公の視線の先方には、コンサートやイベントで有名なロイヤル・アルバート・ホールを見ることができます。


ヴィクトリア女王が夫の
の貢献を称えて建てた記念碑。

サーペンタイン・ギャラリー　Serpentine　Gallery
コンテンポラリー・アートの展示を扱う人気のギャラリー。プリンセス・ダイアナもこのギャラリーを熱心に支援していました。
世界的に有名な建築家を招き、期間限定でパビリオンを建てるプロジェクトが毎年夏に開催され、世界的な話題となっています。

（左）選りすぐりのコンテンポラリー・アートの展示会が行われているサーペンタイン・ギャラリー。
（右）期間限定で建てられたパビリオンはRem KoolhaasとCecil Balmondによるデザイン。

オランジェリー　Orangery
ケンジントン宮殿の目の前にあるティー・ルーム「オランジェリー」。この建物は、もともとアン王女が柑橘類の温室として使用していたもので、赤レンガの優雅な外観と、ラグジュアリーな内装が魅力です。ここでは、スコーンをクロテッド・クリームとジャム、紅茶とともに楽しむクリーム・ティやサンドウィッチなどを頂くことができます。

1704年、アン女王によって建てられた
温室はティー・ルームとして有名に。