ジュエルタワー

国会議事堂の目の前にひっそりと佇むジュエルタワーは、中世より火災から免れ、イギリスを見守り続けた歴史の重みを私達に感じさせます。この古き塔は、エドワード3世（在位1327-1377）の命によって、1365年頃ウェストミンスター宮殿の一部として、国王の個人的所有物や高価な品を保管するために建設されました。ウェストミンスター寺院の敷地に一部入る形で建てられたことから、ウェストミンスター寺院の聖職者達の怒りを買いましたが、その後、このジュエルタワーの管理者であったウィリアム・アッシュボーンがタワー内の堀で飼われていた魚を食べ、窒息死したという皮肉な話も伝えられています。

ジュエルタワーには、金銀製の食器や宝石、高価な織物などが所蔵されていました。その後、国会上院の書物庫としても使用され、今では貴重な文化財として維持されています。