1492年からスコットランドの首都として栄えてきたエディンバラ。その美しい旧市街と新市街は1995年に世界遺産として登録されました。絶好の観光シーズンは大規模な芸術祭「
エディンバラ・フェスティバル」が行われる8月で、エディンバラ城の広場では、ミリタリー・タトゥーと呼ばれる軍隊パレードが行われ、多くの観光客が世界中から訪れます。
美しいフォース湾を望む中世スコットランドの町並みを楽しみ、新鮮なシーフードやシングルモルトを堪能するのがエディンバラの大人の過ごし方。今回は、時間の余裕がない人でも満喫できる1泊2日の旅をご紹介します。
ロンドンからエディンバラまでの行き方
【電車】
「ロンドン・キングスクロス London Kings Cross」から「エディンバラ・ウェーヴァリー Edinburgh Waverley」まで。1時間に1-2本運行し、所要時間は約4時間20分。4時間と長いジャーニーとなるので、自由席より1等席がお勧め。車窓からの景色を楽しみながら、食事とワインを堪能してみてはいかが?
■時刻表の検索および予約
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ヨーロッパ内の切符を日本語で予約できるレイルヨーロッパ公式サイト
■ブリットレイルパス
様々な遠方まで旅行を計画している場合には、リーズナブルな「ブリットレイルパス」を日本で購入するとお得。このパスを購入すれば、期間中乗り放題で自由気ままに行きたい場所へ行くことができます。旅行代理店や観光局で購入することが可能です。
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【飛行機】
ブリティッシュ・エア・ウェイズで、「ヒースロー空港 Heathrow Airport」から「エディンバラ空港 Edinburgh Airport」まで。日帰りの場合は、時間に余裕ができる飛行機が効率的。エディンバラ空港から市内まではバスで約25分。
(例)
8時55分発-10時15分着(ロンドン-エディンバラ)
20時20分発-21時45分着(エディンバラ-ロンドン)
世界遺産 エディンバラの街並み Edinburgh
ひとまずオールドタウンとニュータウンをバスで周遊
ウェー・ヴァリーを起点として行動を
エディンバラは、エディンバラ城のある旧市街地「オールドタウン」と北側の新市街地「ニュータウン」と呼ばれるエリアに二分されています。街自体はとても小さく、観光スポットも中心街に集中していますが、観光名所を効率的に回るなら「市内観光バス」が便利。
エディンバラで一番人気のバスツアーを何社か比較できるLOTHIAN BUS社サイト
世界遺産 エディンバラ城 Edinburgh Castle
紀元前から始まるスコットランドの長い歴史を体感できるこのエディンバラ城。エディンバラの街並みや、フォース湾などの絶景を楽しめる場所でもあります。また毎年8月にはスコットランド最大の祭典「ミリタリー・タトゥー」が城内で開催されることでも有名。バグパイプの音色が、スコットランドのシンボル、エディンバラ城を湧かせます。
エディンバラ城の歴史
エディンバラのどの位置から眺めても、力強い美しさを感じさせるのは、なんといっても城を支える壮大な岩山。この岩山は3億4千年前に火山が活発に活動した時期に形成されました。紀元前900年の青銅器時代には、人々がこの砦に住んでいたことが考古学調査の結果わかっています。その後の紀元140年頃には、エディンバラの西の地域が、ローマ帝国の最北端であり、皇帝アントニウヌスの壁を建設するための傭兵が大勢この砦に暮らし始めていたと考えられています。
聖マーガレット礼拝堂
デヴィット1世(1124-53)が、亡き母マーガレットの為に王家の礼拝堂として建てた、エディンバラの中で最古の建造物。長い間火薬庫として使われていましたが、1845年に現在の姿に修復されました。礼拝堂のアーチは石造りで、非常に小さな空間でありながら、繊細な模様が施されて厳かな雰囲気を漂わせています。
モンス・メグ
1457年にバーガンディ公フィリップが姪の夫ジェームズ2世に送った大砲で、城の歴史の節目には礼砲を放つ役割を担ってきました。もともとは、150キロの重さの砲弾を打つことができる最新の武器で、1460年にはジェームズ2世がこの世を去ったロックバラス城の攻城でイングランド軍に向けて使用されたものです。しかし戦場への持ち運びには不向きなほど重く、後に礼砲に使用されることになります。1558年メアリー女王と皇太子フランソワとの結婚の礼砲では、砲弾は3.2kmも離れたウォーディー・ミュアまで飛んだと言われています。1745年のジャコバイト党の反乱後にスコットランドの武装解除の為にロンドン塔に移された後、あまりに重いことで放置され、1829年に返還されています。
王宮
王宮の中には、スコットランド女王メアリーが、後のイングランド王ジェームズ1世を出産した部屋や、有名なメアリー女王の肖像画があり、見どころとなっています。
1566年4月スコットランド女王メアリーは、スコットランド王ジェームズ6世で、イングランド王ジェームズ1世をこの王宮で出産し、その部屋は「誕生の間」と呼ばれています。そして、ジェームズ1世は在位50年を祝し、1617年に誕生に地を訪れ、王宮の改築工事を手掛けています。戴冠宝器を守るためのクラウン・ルームが増設され、宝器は現在でもここで管理されています。1996年には、古代スコットランドから王の戴冠に使用された石「ストーン・オブ・デスティニー」がイングランドから返還され、大切に保管されています。
オナーズ・オブ・スコットランド
オナーズ・オブ・スコットランドとは、宝冠、王笏、御剣から成る戴冠宝器で、スコットランド王ジェームズ4世と5席の治世に作られ、1543年9月にスターリング城で行われたスコットランド女王メアリーの戴冠式で初めて三器が揃って使用されたもの。
1651年チャールズ2世の戴冠式の為に1650年にエディンバラから持ち出された宝器は、当初キンカーディンシャーのダンノッター城で、その後はキンネフ教会の床下に10年近くも保管され、清教徒革命後のオリバー・クロムウェルの手から逃れることができたといわれています。
ストーン・オブ・デスティニー
ストーン・オブ・デスティニーは、歴代のスコットランド王がその上に座り、戴冠してきた歴史的な石。1296年に「スコットランド人を打ちのめす鉄槌」と言われたイングランド王エドワード1世によって強引に持ち去られ、その後は、ウェストミンスター寺院の戴冠式用の王座の下に置かれ、今日まで戴冠式に用いられるように。1996年にスコットランドに返還されてからも、United Kingdomの戴冠式には必ずウェストミンスター寺院に運ばれることになっています。
ミリタリー・タトュー
毎年8月には、世界的に有名なスコットランド最大の祭典、「エディンバラ・ミリタリー・タトュー」、「エディンバラ・インターナショナル・フェステイバル」が開催され、エディンバラ城には、華やかな軍鼓笛隊のパレードが登場します。タトューの見どころは、なんといってもバグパイプ奏者による演奏。歴史深いエディンバラ城と幻想的なライトアップの中で奏でられる伝統的な音色が、人々に感動を与えます。
エディンバラ城公式サイト
ホリールードハウス宮殿 Palace of Holyroodhouse
1128年スコットランド王、デイヴィッド1世によって建てられたホリールード寺院がもとになって、のちに建設されたホリールードハウスは、15世紀からエディンバラ城にとって代わり、歴代のスコットランド王達が暮らしてきた宮殿。スコットランド女王メアリー1世も、この宮殿で結婚式を行い、現在もメアリー1世の寝室は見どころのひとつとなっています。1565年3月9日、メアリー1世の秘書であったデイビッド・リッジオは、メアリーの嫉妬深い2番目の夫ダーンリー伯爵によって宮殿で殺され、その後血痕は何世紀にも渡って人々の目にさらされてきました。また、フランス革命の時には、後のシャルル10世がこの宮殿に滞在しています。
宮殿には、王室のコレクションを展示したクィーンズ・ギャラリーがあり、様々な絵画や彫刻、ジュエリーなどを鑑賞することができます。
ホリールードハウス宮殿公式サイト
スコッチ・ウィスキー・エクスペリエンス Scotch Wisky Heritage Centre
蒸留所のレプリカの中を通りに抜けながら、スコッチの歴史と蒸留の過程を知ることができるツアーが人気のスコッチウィスキーの博物館。レストランやウィスキーのショップは、入場料なしで利用することができます。
少人数向けのツアーは3種類。シルバーツアーは、ツアーと1杯のウィスキーのテイスティングで、18歳以下の場合はソフトドリンク1杯が付くもの。ゴールドツアーは、シルバーツアーの内容に加え、スコッチ・ウィスキー・アプリエーション・ソサエティのメンバーシップ、シングルモルト4種とその他各種特典が含まれています。さらにプレミアムツアーになると、ゴールドツアーの内容に加えて、世界中のウィスキー約3500本が揃うディアジオ・クレイヴ・ビディズ・ウィスキー・コレクションにて、2種のシングルモルトの飲み比べができ、最後には21年物のスコッチウィスキーのテイスティングをすることができるお得なコース。
館内には、ウィスキーの専門家の指導で、スコットランド各地で作られるウィスキーのそれぞれの風味をかぎ分け、好みのウィスキーを調合できる「センス・オブ・スコットランド」、エディンバラの風景を楽しみながらウィスキーを堪能できる「マキンタイア・ウィスキー・ギャラリー」などがあり、大人の時間を楽しむことができます。
スコッチ・ウィスキー・エクスペリエンス公式サイト
セント・ジャイルズ大聖堂 St. Giles Cathedral
1120年代にスコットランド王室によって建てられた教会。当初はロマネスクのラウンドアーチと精巧な曲線が特徴のノーマン様式でした。16世紀に宗教改革の指導したジョン・ノックが司祭として、この教会を拠点にプロテスタントの普及を務めたことで有名です。また、熱心なカトリック信者であったメアリー1世は、一度もこの教会を訪れたことがないと言われています。
建物は、初期のゴシック様式に増築された一部が焼けてしまい、その後、何度も修復が重ねられ、現在の姿に至っています。
セント・ジャイルズ大聖堂公式サイト
世界デザインホテル50選のひとつ、エディンバラ城の夜景も
ポイント・ホテル POINT HOTEL
エディンバラ・ウェイブリー駅から1.2km、徒歩15分程度と、便利な場所で、旧市街地「オールドタウン」にあるこのホテルは、世界のデザインホテル50選にも選ばれたコンテンポラリー・デザイン・ホテル。街のランドマーク「エディンバラ城」まで200mで、1120年に建てられたゴシック建築「セント・ジャイルズ大聖堂」、「スコッチ・ウィスキー・ヘリテージ・センター」などの観光スポットまで近く、快適に街歩きを楽しむことができます。オールドタウン側エディンバラ城のライトアップを眺められる部屋がお勧め。
ポイント・ホテルの宿泊記、詳しい記事はこちら
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